キンカンのブログ

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【ネタバレあり】ペンギン・ハイウェイ 感想

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今更ながら観てきました、ペンギン・ハイウェイの感想書いていきます。

 

 

もう夏終わっちゃってる!!

もう秋の顔出てきちゃってる!!

季節感/ZERO

 

 

と、思わなくもないですが…

うるせ〜〜!  知らねえ〜〜!

とばかりに書いていきます。

 

 

この映画は結論から言うと、

「甘酸っぱい少年期を味わいながら、スッパリと楽しめるSF映画」です。

 

ストーリーを簡単に説明しますと、

突如として街にペンギンが大量に現れ、

その問題を解決するために、主人公の青山君(小学生)がクラスメイトや歯医者のお姉さんと協力しながら街の謎に迫る、といったものです。

 

ストーリー中盤あたりで、青山君が「お姉さんが晴れの日に物を投げるとペンギンに変化させることができる」という発見をし、街の森を抜けた草原で宙に浮かぶ水球(劇中では海と呼称)と何か関係があるんじゃないか、とクラスメイトと研究を進めます。

 

そして、最終的に「海」とは次元や時空を歪めてしまう世界の穴だということを青山君が仮説を立て、その「海」に干渉できるペンギンを生み出せるお姉さんは人間ではないのではないか、という考えに至ります。(ペンギンは海を破壊することができます)

 

その仮説を聞いたお姉さんは「ようやく謎が解けたようだね。おめでとう、少年」と言い放ち、彼女も自身の役割(ペンギンを生み出して海を破壊すること)を思い出します。

 

お姉さんと青山君はペンギンを大量に引き連れて海の中へ入り、最後にペンギンを打ち上げて次元の穴である海を破壊します。

 

その後、役割を終えたお姉さんは青山君に手を振ってあっけなく消え去り、青山君は「お姉さんはまだきっとどこかにいる。今からもっと勉強して、偉くなって、大人になった後にお姉さんを探し出してみせる」と強い信念を抱きながらエンディングを迎えます。

 

このように、当作品はSF特有の不思議な現象が起こり、色々と考えさせられるのですが、それらの疑問に関しては特に考えずに観た方がいいな、と思いました。

 

疑問が気泡のように次々と頭に浮かび上がりますが、その気泡が弾ける時はきません。

疑問の泡は頭の中で溜まる一方で、映画が終わってもその疑問は晴れることは無いのです。

 

「お姉さん」は何者だったのか?

草原で見つかった「海」は何故発生したのか?

お姉さんは何故ペンギンで海を破壊できたのか?

お姉さんと海との相互関係は?

また海が発生したら、お姉さんは現れるのか?

 

それらの謎は説明されずに映画は幕を閉じてしまいました。

 

「お姉さんは次元の穴を埋める何者かで、発生してしまった海に対してペンギンを生み出しぶつけることで破壊できる役割をもつ」

「ペンギンは物から変化し役割を終えたら、変化元の物(フライパンでも郵便ポストでもなんでもいい)に戻る」

 

ということくらいはわかるのですが、やはり細かい説明はされませんでした。

 

劇中でキーワードとなる「海」に関しても、青山君が立てた仮説で説明されるだけで、確証が得られるわけでもありませんでした。

 

と、ここまで書いておいてなんですが、

自分が当映画に対して抱いた感想で、マイナスなものは一切ありません。

 

「謎が説明されない」というのはSFでは珍しくもなんともありませんし、そもそもSFとは残った謎を作品の余韻と共に咀嚼することが楽しみの一つでもあるため、謎が残る終わり方でもストンと腑に落ちるものになっているな、と感じました。

 

主人公である青山君が大人になり、いつか本当にお姉さんと会えるのではないか、と夢想する楽しみも残してくれましたしね。

 

日常の中に潜むちょっとした非日常を楽しめるSF(少し不思議)を感じながら、甘酸っぱい少年期を味わえる良い作品でした。

 

 

 

 

これは余談ですが、当作品において「おっぱいの表現が素晴らしい」との意見が散見できますが、

その表現も昨今のアニメのような過激な描写ではなく、あくまで「青山君は小学生の割には聡いが、やはりまだ小学生である」ということを意識させるための微笑ましい描写でした。

性的表現をしすぎだ、といった意見は気にしすぎでは?  としか思えません。

(それにしても、青山君は一日に30分もおっぱいのことを考えているらしいので、それは異常だな〜と思いながら)

 

他にも、青山君や他のクラスメイトは「チェス」で遊んでいたりするのですが、最近の小学生はチェスとかするんでしょうか。

青山君の聡明さを意識させるための設定なのか、はたまた普通に小学校にチェスはあるのか、それはわかりませんが個人的なツッコミ要素だったりします。

(でも、自分が小学生の頃にも囲碁や将棋で遊ぶ「盤上クラブ」なるものが存在していたため、なくはないな〜などと思いながら)

 

それと、お姉さんの本名が明かされなかったのも「お姉さんが人間ではない何者かである」という伏線になっていたんだなあ、と今更ながらに気づきました。

(街に流れる環状の川も海とかお姉さんに何か関係があったのだろうか…)

 

設定資料集を買い、文庫版も読んでみればもっと詳しい設定がわかると思いますので、BDが出たら一緒に買ってみたいですね。