キンカンのブログ

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勇者ネプテューヌ 感想

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2018年発売のゲームだが、PS4を持っていなかったし、プレイ出来る環境でもなかったため、今更ながらのプレイ。

自分の思考をまとめるために適当に言語化していきたい。

 

悪かった点で感想を締めると、タイトルに対する悪印象のみが残るので、まずは悪かった点からまとめていく。

 

【悪かった点】

ファンとしてあまり言いたくはないが…多分、今作をプレイしたユーザーなら口を揃えて言うと思う。ゲームシステムが酷い、と。

今作は、無名の海外スタジオとの協力制作だったため、アウトソーシングの関係でままならないこともあったのかもしれないが、それにしても酷い…と言わざるを得ない。

 

四人のキャラクターにスキルを4つセットして、R1でフォーメーションを変更することで違う効果が得られる。

キャラクターのスキルもR1でフォーメーションを変更する度に、配置によって使用できるスキルが変化する、というものになっており、文章で読むと意外と戦略性があるように感じるのだが、実際には戦略性のせの字も無い。

 

ステータスの振り幅を適当に設定したのか…と思えるほどに、いや、実際に割と適当に設定したのだろうが、INTのステータスが優遇されており、STRは殆ど意味をなさない。

装備するとINTやSTRが上昇するのだが、明かにSTRの上昇率が高く、INTの値を参照する魔法攻撃の方がバリエーションがあり強い。

そのため、INTボーナスをつけたキャラクター(自分の場合だとブラン)が魔法攻撃をするだけで全ての敵が死ぬ。

ややこしいスキルやフォーメーション等、考える必要がない。早送りして光魔法(光属性に耐性を持つ敵が恐らく一体しか存在しない)が撃てるキャラクターのボタンを押しているだけで序盤から終盤までの戦闘が終わる。

ゲームというより作業という印象が強い。

 

必殺技のモーションが作り込んであるのに、ゲージが溜まるのが遅すぎる上に敵が弱すぎるため、必殺技を撃つタイミングが全くない。

というより、必要ない。

 

通常攻撃をするにも画面右下のポイントが溜まらないといけないため、結局早送りしがちで、戦闘自体あって無いような作りになってしまっているし、物凄く単調。兎に角緊張感がない。

 

使用できるようになるスキルも、装備品と位置に依存している点もダメ。

折角、フォーメーションというシステムがあるのに、それをしていたら、位置によって使用したいスキルを使うのにまたR1で配置を変える必要が出てきてしまい、だったらもうフォーメーション関係なく位置固定で強いスキル連打していればいいだけになってしまうし、それで通用してしまうくらい敵が激烈に弱い。

装備にスキルがセットされているため、装備が変わるとスキルも変わってしまうし、キャラクターを入れ変える度に、スキルが全部外れるのも面倒くさい。

 

この案でやるのであったら、まずフォーメーションに意味を持たせる必要がある。

例えば、ガードフォーメーションで敵の強力な技を一時的に凌ぐとか、これをやらなければ勝つのは難しいような作りが必要。

 

あと、言うまでもないがステータスの調整。

物理技と特殊技に均等な優位性を持たせること。こんなん初代ドラクエでも出来てる。

 

あと、属性の耐性都合もつけること。

敵の属性が表示されないから、何属性が効くのか攻撃するまでわからん上に、不利な属性を当てると回復されてしまうため、博打感が強い。

だからほとんどの敵が耐性を持っていない光属性連打で済んでしまうし、それ以外したくない。

属性の有利不利なんて初代ポケモンでも出来てる。

 

他にも、装備を購入する際にキャラクターのステータスが出てこないので、購入しようとしている装備が今装備しているものより強いのか弱いのかわからない。

そのため、いちいちキャラクターの装備ステータスに戻って確認しなければならない。

装備している武器のステータスくらい覚えておけ、という話ではなく、コンテンツを提供する側として、これはあまりにも不親切ではないか。

今まではそんなことなかったというのに、最早これはチェック不足と言わざるをを得ない。

プログラムもアウトソーシングしているようだったので、受け取ったものをほぼそのまま通してしまったのだろうか。

 

あと…今作のエンディングは分岐しないのだが、じゃあ思わせぶりなイストワールの辞書とは何だったのか…あれが揃わないとイストワールが読めないという設定は何だったのか…アイテムとして所持していても何の効果もないコレクションアイテムだし…これの所持有無で分岐しても良かったのではないか…なんだか細かいところで雑な作りになっているように感じてしまう。

重要アイテムなのに、集めても集めなくても何の効果も特典もないなら、ストーリー上で全部回収できるような流れにすれば良かったし、マップに配置する必要もない。

 

シナリオについても、なんでプラネテューヌだけ沈んでいるのか結局明言されていなかったし、みんなの記憶が戻ったのかも不明。

アイエフとコンパの記憶は戻っていなかったのだとしたら、ネプテューヌはもっと憤るべきだし、黒幕も簡単に許してはいけないだろうに。

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ただ、ED後にアイエフやネプテューヌを愛称で呼んでいることから、恐らく記憶は戻ったのだと思われるが、それならそれで記憶が戻ったことも明言しなければならないだろう。

 

そして、終盤でのキャラクターの台詞。

老害」という言葉を使っている点もいただけない。

本当に、信じられないが、これはどうなってるんだ…面白くも何ともねえぞ製作陣…。

差別的な用語をキャラクターに言わせてんじゃねえぞ…わかってんのか…ネプテューヌというタイトルはキャラクターデザインとシナリオあきりの作品なんだよ…。

システム周りが酷かったのはまあいい…コンパのゲームは毎回そうだし、腑には落ちんが妥協は出来る。

しかし、キャラクターを貶めることは製作陣が一番してはいけない、という簡単な事実が何故わからないのか…キャラクターはお前らの代弁者ではないんだぞ…。

懐古厨という言葉なら全然問題無い…だけど、老害は造語だが、普通に差別用語だからな。

これはゲームのクオリティ以前の問題。製作陣の倫理観やコンプライアンスの問題だ。

ユーザーもゲームを楽しむつもりではなく、キャラクターの問答を楽しみにしているところが大きいだろう。

だから、キャラクターの魅力を失っては、このタイトルを買う理由はもう殆ど何も残されない、という事実にいい加減気づくべきだろう。

今作で離れてしまったユーザーも少なからずいるだろうし、こんなことは二度と起きないでほしいと願う。

 

難しいことは言っていない。小学生の道徳の授業レベルの話だ。

何より、差別用語を堂々と使う人間が作ったゲームなんて、誰もプレイしたくないだろう。

 

 

【良い点】

悪い点ばかりが散見される今作だが、評価できる点もある。

まずは、今までずっと3Dでやってきたところを思い切って2Dにしたところだろう。

そのチャレンジ精神は評価したい。

背景のデザインも非常に綺麗で見ていて飽きない。キャラクターが画面から遠いのは、恐らくこのクオリティの高い背景をアピールしたいがためだろう、ということも理解できる。

キャラクターの2Dデザインも良かったし、今まで3Dだったため、かなり新鮮な気持ちでプレイ出来た。

二段ジャンプを入手することで、今まで行けなかったところに行けるようになる、という2Dゲームならではの視点も良かった。

 

シナリオのネプテューヌ節による会話のキレも良かったようにも感じる。

いつものようにネットの細かいネタが散りばめられており、会話やイベントも楽しめた。

 

クロムは無印リバースをプレイしているユーザーにしかわからないが、時折マジェコンヌっぽくなるシーンがあったのも非常に良かった。

 

EDとOPは激烈に良い曲に仕上がっているし、ドットで展開されるEDはやはり作り込まれていた。

BGMは全体的に幻想的に作られていたり、イストワール内部のBGMなんかは昔の2DゲームっぽいBGMのアレンジ仕様になっていたり、と滅茶苦茶クオリティが高かった。

 

イストワールを破ることで時間遡行の現象が起きる、という初出の設定とタイムリープモノを含んだところも良いと感じた。

 

 

【総評】

思い切って2Dゲームとして仕上げようとしたチャレンジ精神、背景、BGM、ネットの細かいネタを盛り沢山にしたシナリオ等、良い点もあるが、いかんせん悪目立ちする部分が多すぎるせいで、恐らくクソゲーと結論を下すユーザーが多いだろう、と思えるような作りになってしまっている。

 

社会人としてのコンプライアンス精神も欠如していれば、このシリーズ随一の魅力であるキャラクターを貶める発言…正直ファンでも呆れるを通り越して怒りを覚えるほどだと思う

 

プレイアブルキャラクターが少なかったのは残念だが、序盤から四女神を動かせたし、DLCにアイエフとコンパが追加されていたので自分は妥協できたが、妥協できなかったユーザーも多いだろう。

特に、アイエフは人気投票で2位を獲得する位には人気が高いのだから、DLCではなくストーリー上で仲間になり、もっと出番があっても良かっただろう。

それと、女神候補生が存在しない、クロムが現存している、四女神の仲が昔は悪かった、どのハードが優れているかで戦争が起きた(ハード戦争)の設定がある世界なら、これもう実質的な無印の続編にするべきだった…と言わざるを得ない。

ここまで同じ設定だったら自然な流れで続編のように作れたし、無印だけは唯一続編が存在していないので、それだけでユーザーの感想は変わっただろう…凄く勿体無い気がする…。

明言はせずとも実質的な続編にしないのであれば、女神候補生も登場させるべきだったようにも思える…キャラゲーなのだから、キャラクターをバンバンだしていかなければいけないだろう…。

 

まあ、なんだかんだで次回作も懲りずに買うが、せめてキャラクターを貶めるようなことだけはしないでほしい。

 

次回作は、原案でこそつなこさんだが、キャラクターデザインはつなこさんではない別のイラストレーターが描いていることに加え、コンセプトの変身すら忘れてしまったのか…女神化もしないようだし、色々と不安が募る。

 

是非、次回作では、新規ユーザーを獲得出来るような面白いゲームシステム、コンプライアンス精神を持った立ち回りを期待する。