キンカンのブログ

主にゲームや本の感想

メギド72のススメ

*ネタバレあり

2017年からサービス開始され、今年で2周年を迎えるメギド72。

 

一度はサービス終了の危機に陥ったり、テスト版の完全な2Dから数億の金を費やし3Dに変更してリリースしたり、

炎上など色々あったが、日本ゲーム大賞で優秀賞を取るまでに成長した伸び代のあるコンテンツだ。

 

f:id:gurenraganda343:20191102132904j:image

 

恐らく、これからも当コンテンツはまだまだ成長していくだろうし、数年後にはビックタイトルになることを個人的に凄く期待している。

 

だが、メギド72はまだまだ知名度が高いとは言えない状況だ。

ソシャゲで氾濫する現代の強い川の流れの中で頭角を表しつつあるのは間違いないが、もっとプレイ人口は増えて欲しいし、それに伴うイベントやグッズ販売も加速して欲しい。

理想的なのはアニメ化やコミック化だ。

 

そんなメギド72の魅力を個人的な観点で、自分の考えを整理するために勝手に書いていく。

 

その前に、まずはメギド72ってなんなんや…という方に向けて簡単に説明すると、メギドラルという戦争主義の悪魔が住む世界とハルマニアという天使が住む世界が戦争を起こそうとしていて、その戦争の巻き添えになるヴァイガルドという世界に住むソロモンという主人公が訳あってメギドラルから追放された(追放メギド)悪魔たちを使役して戦争を止めるための物語を描いた作品だ。

 

書いてて改めて思うが、メギドは世界観が独特で、設定が他のコンテンツと差別化されている点が非常に魅力的だ。

戦争を仕掛けようとしているメギドラル側に属していたが、追放されてしまったが故に反旗を翻す、あるいは、メギドラルの思想に同調できなかったが故に一時的に力を貸す。そんな一筋縄ではいかない様々な背景を持った元悪魔を率いて戦う彼らのエピソードは見ていて本当に飽きない。

強大な悪魔の力は、ソロモンの指輪の力を介することで一時的にしか出せないというハンデも物語の良いスパイスになっている。

おぞましい悪魔の姿とヴィータ体の二面性のギャップは、キャラクターの魅力を増加させる良いアイデアだと思う。

 

 

魅力1.キャラクター

メギド72はなんと言っても我の強すぎる、一癖も二癖もあるキャラクターが魅力的だ。

反対に言えば、正統派な個性を持つキャラクターが少なく、突然ドストレートな正統派を出されるとそれに希少性を感じてしまうほどだ。

 

最初は自分の目的のために主人公を誘拐した奴が、仲間になった途端に主人公をやたらと慕い始め…それも慕うレベルが少しいきすぎている言動が目立ち、もうコイツはソロモンの愛人なんじゃ…と思うくらいのヤバイ奴がいたり…。

 

f:id:gurenraganda343:20191102134526j:image

 

f:id:gurenraganda343:20191102134800p:image
f:id:gurenraganda343:20191102134727p:image
f:id:gurenraganda343:20191102134744p:image

コイツいっつもソロモンをナンパしてんな…。

 

f:id:gurenraganda343:20191102140226j:image
f:id:gurenraganda343:20191102140329j:image

 

他にも、愛という感情を初めて知った故に盲目的になり過ぎてしまい、愛する主人公のためなら文字通りなんでもするヤバイ奴がいたり…。

 

なんだよ普通のヤンデレとか普通の病んでるホモ(普通ってなんだろ…)じゃん、と思うかもしれないが、彼らは本来化け物のような姿をしている悪魔であり、それが本性でもある。

そんな彼らが窮屈な人間体(本作ではヴィータと呼称。時代についていけなくなってきたゲーム媒体ではない)に本性を押し込められた状態で、そんな特殊な嗜好・性格に歪んでいくというのは全く新しいものに感じられる。

この本性を隠して、あるいは押し込めて体裁を取り繕うという面は、キモオタの本性を隠蔽してまるで健常者を装うオタクに通じるものがあるな…?(ない)。

 

まあとにかく、そんなヤバイ奴らがひしめき合う中で、突然普通のツンデレとかを出されると希少性を感じてしまう。

つまり、正統派に希少性を感じるということは、普段プレイヤーは個性豊かな(趣味嗜好が歪んだ奴ら)連中を見過ぎて感覚が麻痺しているということでもあり、当コンテンツは王道になり過ぎた正統派に再び付加価値を与えているということだ。

もう何言ってるかわかんなくなってきたが、つまりそういう事(?)。

 

とにもかくにも…他にもキャラクターの魅力という点では、キャラクターの一人一人には短いテキストで上手くまとめられたストーリーがあり、育成して個人ストーリー(キャラクターストーリー。略称でキャラストと呼称されることも)を見ていくうちに、全くノーマークだったキャラクターにも愛着が湧いてしまうのがメギド72の凄いところだ。

 

加えて、メギド72のメインストーリーの難易度が非常に高いこともキャラクターへの愛着を湧かせる要因の一つになっている。

新宿音ゲーキャメロットのゴリラが比にならないくらいに難易度の高いメインストーリーの敵を手塩にかけて育てたキャラクターで突破すると、そのキャラクターがメインを突破するために育てたキャラクターであっても、いつのまにか愛着が湧いてしまっている。

メギド72はキャラクターの魅力を適切にプレイヤー伝えて、そのキャラクターのファンになって貰うノウハウを持っているコンテンツだと何度も痛感してきたので、もうメギドのキャラクターは漏れなく全員好きだ。

 

 

 

魅力2.迷言

メギドには笑える迷言が多い。

シリアスなシーンでも、唐突にユーモア溢れる台詞を容赦なく突っ込んでくるのも魅力の一つだ。

ここでは、作中で飛び出した色んな迷言を紹介したい。

 

1.「気持ち悪い媚を売ってるんじゃないよ!」

f:id:gurenraganda343:20191110235124j:image

メギドをやっている人ならお馴染みの台詞。

彼女は別にメインキャラでもないし、頻繁にストーリーに登場するわけでもない。

イベント内で一瞬だけ登場して放ったこの台詞が、何故かユーザー間で話題になり、有楽町のマルイで行われたイベントでは「モブの女王」として色紙が展示されたり、メギド72を特集した時のファミ通の名言アンケートでは、ちゃっかりランクインしていたりと、謎の流れで有名になった台詞。

 

2.「おのれメギドラル」

f:id:gurenraganda343:20191111000256p:image

「わたし、ソロモンさんの恋人…きゃっ…だった記憶があるんですけど」などという妄想から生まれた記憶を何か怖いしメギドラルのせいにしておこう…と周囲の皆が口裏を適当に合わせてその場を凌ごうとした結果、彼女の怒りの矛先がメギドラルに向いた瞬間に出た台詞。

ユーザーが何か理不尽な目に遭ったり、爆死した時によく使う言葉でもある。

何か悪いことが起きたら全部メギドラルのせいにしておけば、その場は丸く収まったりする(しない)。

…おのれメギドラル…。

 

3.「田舎者の分際で派手に鎖ジャラジャラさせてんのもキモイんだよ、このジャラ男! おまけにムラのない日焼けしやがって、一人の時全裸マンだろお前! いつもにやけてんのも気に入らねえ! その濃い眉毛とか書いてんの!?」

f:id:gurenraganda343:20191111001751p:image
f:id:gurenraganda343:20191111001919p:image
f:id:gurenraganda343:20191111001832p:image

戦闘で負けたバラムが悔し紛れに言い放った台詞(悪口)。

ファンタジーな創作物に登場するキャラクターというのは大抵奇抜な格好をしているものだし、その奇抜な格好を作中で指摘するキャラクターもいないのが普通なのだが、メギド72のキャラクターは主人公の奇抜な格好にどんどんツッコミを入れていく。

ソロモンのヤバイ…独創的なスタイルは、初見なら誰でも「なんだコイツ…」と奇異の目を向けてしまうのは必至だが、その格好を変だと思ってるのは自分だけじゃなかったんだ…と微妙に安心、あるいは、心から同意してしまうワンシーン。

しかも、この台詞の時だけフルボイスになるのがズル過ぎる(通常はボイスなし)。

というか、台詞考えた人の本音がダダ漏れである

キャラデザを公式で罵倒していくスタイル…最高に病んでるな…。

 

4.闘技場にはなかった剣だな

f:id:gurenraganda343:20191111204038p:image
f:id:gurenraganda343:20191111204106p:image
f:id:gurenraganda343:20191111204013p:image

あまりにもいじられ過ぎたシャックスが人権の意味を問うた時、身内メンバーから発せられた台詞。

ラクスの「まだ食ったことなくてさあ」も個人的にツボ。

 

5.「S  A  K  E」

f:id:gurenraganda343:20191111204643p:image
f:id:gurenraganda343:20191111204717p:image
f:id:gurenraganda343:20191111204749p:image
f:id:gurenraganda343:20191111204609p:image

通称「三馬鹿」のコラボレーション。

これもメギドお馴染みの台詞だ。

因みに、この台詞は歌詞になったり、マルイで行われたイベントで等身大パネルに起用されたりした(病気)。

f:id:gurenraganda343:20191111205511p:image
f:id:gurenraganda343:20191111205439p:image

IQが3くらいしか感じられないが、愛すべき馬鹿たちのユーザー人気は高い。

 

 

 

4.名言

ここまで読んで「メギドくん変な台詞ばっかやん…こわ…近寄らんとこ…」とか思わないで欲しい。

メギドには良い台詞も沢山ある。

次は個人的にお気に入りな台詞を見ていきたい。

 

1.そうは「させぬ」の砂糖と醤油とぬか味噌!

…それが恋の隠し味…っ!

f:id:gurenraganda343:20191116230647p:image

f:id:gurenraganda343:20191116230208p:image

そう…“また”ティアマトなんだ…すまない…。

ギャグに捉えられがちな台詞だが、普段から異常なほど慕っているソロモン以外には興味を示さない上に、ソロモンに近づく女性に対しては無条件で敵意を向けいている彼女が、“女性”である仲間を手助けした、という点が滅茶苦茶にアツくて、最高にカッコ良かったシーン。

 

しかし、この後に発する「ソロモンさんが大切にしているモノを傷つけやがって…」という台詞からも助けた動機自体は非常に彼女らしく、キャラの軸がブレていない点も非常に好感が持てる。

このシーン、アニメで観てえな…。

 

2.儂が代わりに怒ってやるっ! 儂は心の悲鳴を隠す者、すべてにとって怒りの代弁者だっ!

f:id:gurenraganda343:20191116231820p:image
f:id:gurenraganda343:20191116231718p:image
f:id:gurenraganda343:20191116231926p:image

奴隷として虐げられていた背景から繰り出されるこの台詞は、彼女の心情でもあり、その心情は仲間にも向けられるという、ベレトらしさ全開の台詞。

メギド72はキャラクターの使い方が本当にうま過ぎるぞ…。

 

3.「他者を重んじる」って言うけど、そのために自分が軽くなったら本末転倒じゃん。

f:id:gurenraganda343:20191117000822p:image
f:id:gurenraganda343:20191117001317p:image

イベントで初登場したオリエンスが、利他の心で動きすぎるソロモンに対して放った台詞。

他者のことを考えすぎて自分を大切に出来なかったら意味がない。

他者を尊重し続けた結果、自分の価値が軽くなるのはおかしな話だ。

社会人として身を削る全ての現代人に当て嵌まるこの台詞は、滅茶苦茶に的を射ていると感じた…。

この一言でオリエンス大好きになった(チョロいユーザー)。

メギドくんは急に的確な言葉をキャラクターに乗せて伝えてくるから凄い。他のコンテンツにはない力を感じる…。

 

 

 

と、ここまで長々書いてきたが、メギドの魅力はこんなものじゃ収まらない。

他コンテンツとは全く差別化された新鮮なゲームシステム、作り込まれ過ぎていて採算が心配になる3Dモデルとモーション演出、独特な世界観から繰り出される濃密なシナリオ…言葉では伝えきれないので、是非手に取ってプレイしてみてほしい。

ゆっくりでもいいし、しばらくゲームから離れて、たまに復帰するでもいい。

とにかく、進化し続けるソーシャル市場で、このゲームをやらないのは勿体無い。

これからも成長し続けるメギド72をよろしくお願いします。